Web3 クレデンシャルへの投資

本日、Project Galaxyの 1000万ドル戦略ラウンドを、Dragonfly Capitalと共同でリードすることを発表できることを嬉しく思います。 今回は2回目の投資です。私たちは、このチームを支援し、多くのパブリックチェーンにわたってユニバーサルWeb3クレデンシャルネットワーク構築のビジョンをサポートできることを非常に嬉しく思っています。

Web3クレデンシャル

人の特定の成果や貢献を示すクレデンシャルには、様々な種類があります。歴史的に、クレデンシャルは履歴書を通して共有され、通常は大学、政府、トレーニングプログラムなどの機関から証明書として示されます。

一方、Web3クレデンシャルは、オンチェーンに存在するものです。これらのクレデンシャルは、プルーフ・オブ・ワークを通じて獲得する従来のクレデンシャルに似ていますが、そのクレデンシャルの「ワーク」は、プールの流動性を与えた時間、コミュニティ内で参加したスナップショット票数など、誰かのオンチェーンへの貢献となる可能性があります。また、コミュニティ提案への貢献やGithubで作成したフォーク数など、ブロックチェーンにもたらされたオフチェーンの有用なデータである可能性もあります。最も有名なWeb3クレデンシャルのひとつがPOAP (出席証明のプロトコル)で、これは重要なコミュニティイベントへの参加を証明するNFTを発行するものです。（注：この記事で言及する「クレデンシャルデータ」は、すべてパブリックデータです。プライベートまたはセミプライベートデータが関連する可能性のある、その他の種類のクレデンシャルデータがあります。Project Galaxyは、将来的にプライバシー対応オプションを提供する予定です。）

現在、クレデンシャルデータが使用できる方法はいくつかあります。以下にいくつかの例を示します。

1. 特定のdefiプロトコルを積極的に使用する人は、受動的トークン保有者よりもトークン単位あたりで、より大きな投票権限を得る可能性があります。
2. また、一定期間中にTwitterでアイデアや提案の宣伝（リツイートあるいはコメント）を支援した人も、新しいトークンオファー参加に優先される可能性があります。
3. 特定のコントラクトとやりとりした人は、グロースハッキングキャンペーン対象として報酬を得る可能性があります；
4. ゲームで特定の成果を達成した人は、一部のギルドでのファストトラック手続きに適格かもしれません。

Web3クレデンシャルは、これまで不可能だったWeb3アプリケーションのフライホイールやその他の有機的成長を起動させる新しい方法を生み出します。Web3クレデンシャルは、所有するトークン量を超えて（当然、大口投資家に対して、より大きな力を意味します）、アドレスプロファイルを記述する定性データ（歴史的に無視されてきた値）を表します。クレデンシャルデータの民主化は、トークンベースの投票だけでなく、コミュニティメンバーにパワーを割り当てる新しい（そしてより良い）方法を効果的に導入しています。非定量的な行動データ、特にオフチェーンに存在するデータでは、パワー計量メカニズムにより、最大のトークン保有者ではない場合が多いにも関わらず、コミュニティ内の「真のファン」に、ステータスや報酬が傾く可能性があります。

Galaxy Networkは、クレデンシャルネットワークと、ユーザーがクレデンシャルとやりとりするのに役立つネットワークモジュールという二つのコアコンポーネントから構成されています。モジュールは、エアドロップ対象、タスクベースのプレゼント、ゲートコミュニティへのアクセス、シビル耐性トークン配布など、さまざまな機能を提供するように事前設定されています。

Galaxy Networkとのワークフローはシンプルです：キュレーターは許可なしでGalaxy Networkにクレデンシャルを提供することで、オーディエンスコホートが利用可能な領域を増やし、Galaxy Network（Web3プロトコルやコミュニティ）のユーザーが、Galaxy Networkモジュールを使用して、選択されたクレデンシャルセットに基づいてクレデンシャルベースのキャンペーンを実行することができます。また、Project Galaxyのクレデンシャルオラクルをスマートコントラクトの一部として組み込むことで、常に最新かつ最も適格なクレデンシャルコホートをターゲットにすることもできます。クレデンシャルオラクルをNFTバッジ発行から分離することで、Galaxy Networkのユーザーは、NFTバッジの譲渡や投機を制限することなく、クレデンシャルを適切な人にマッピングすることができます。オラクルは、プロトコルがそのデータを要求するたびに、クレデンシャルの最新状態をプッシュし、NFTは、クレデンシャルのスナップショットとしてプレゼンテーション目的で発行されます。一度ネットワークに提供されたクレデンシャルは、データセットが使用されればされるほど、キュレーターの収入が増える可能性があります。

クレデンシャルフライホイール

上記に述べたように、今回はニ回目の投資です。最初のチェックから長い道のりを歩んでいます。

Project Galaxyで働く前、HarryとCharlesは、Lino Network and DLiveの共同創設者として一緒に仕事をしていました。私は2018年にこのチームに会ったのですが、彼らはWeb3の中で最も有能で勤勉、そして野心的なチームだと思いました。2019年時点でのインフラストラクチャは、分散型ソーシャルプラットフォームの準備ができていなかったため、Lino / DLiveは、Bittorrentに買収されました。ニ年後、今回はクレデンシャルリングを通じて、自分たちのビジョンを構築し続けました。

クレデンシャルネットワークは、クエリーミドルウェアをブロックチェーンに接するだけで、魔法のように結び付けられるものではありません。効果的なクレデンシャルを作成するために必要なデータは断片的であるため、特に大規模なクレデンシャルネットワークを構築するのは困難です。幸いなことに、このコミュニティは長くこのような問題に取り組んでいて、その過程で世界最大のWeb3クレデンシャルセットのひとつを蓄積しています。現在、サブグラフクエリー、オンチェーンスナップショット、ガバナンス履歴、出席証明、Web2アプリケーションとのインタラクションデータベースを備えています。Project Galaxyは、さまざまなキャンペーンを実行する過程で、一般的に要求されるエンゲージメントモジュールを特定し、Galaxyスイートに欠落しているモジュールを継続的に追加することができました。現在のネットワークと、あらかじめ構築されたモジュールが組み合わせて組み込まれているため、対象となるクレデンシャルデータセットを便利に選択し、そのキャンペーンを作成するのははるかに簡単です。

これにより、有機的なフライホイールを生み出します：1）最も豊富なデータと最も使いやすいエンゲージメントモジュール、Galaxyは、ユーザーをエンゲージするプロジェクトの間違いないリソースです。２）より多くのユーザーがクレデンシャルデータに基づいて報酬を受け取るようになるにつれて、他のユーザーもそれに追従し（望ましい活動）、より多くのクレデンシャルデータを作成するようになります；そして、３）Galaxy Networkの利用が増えることで、キュレーターは自分のクレデンシャルが使用される可能性が高くなる（キュレーターに報酬が支払われる）ため、クレデンシャルキュレーターは、ネットワークにさらにクレデンシャルを提供するでしょう。それがフルサークルになり、Project Galaxyの使用がより多くのプロジェクトを引き付けるでしょう。

Galaxy クレデンシャルネットワークによるWeb3アイデンティティの強化

Web3アイデンティティを構築するには、トップダウンとボトムアップの二つの方法があります。トップダウンアイデンティティは、政府発行のIDカードなど、機関によって付与されます。ボトムアップアイデンティティは、例えばツイートの総計がパーソナルブランドであるように、過去の行動の総計によって作成されます。

Project Galaxyは、このチャンスを次に狙っているのです。異なるチェーン上にあるクレデンシャルを、ひとつのGalaxy IDに紐づけることができるようにします。

Project Galaxyのボトムアップアプローチは、いくつかの意味において強力です：

1. 標準の、単一で権威ある定義はありません。例えば、分散型アプリケーションは、Galaxyネットワーク内の基盤となるクレデンシャルデータで、独自のスコアリングシステムを自由に定義できます。一つのIDは、複数のスコアを持っている可能性があり（AAVE、Compound、といった）、さまざまなアプリケーションが、それぞれの要件に最も合った、または最も信頼できるスコアを選択することができます。
2. Web3 LinkedInの強化Web3タスク（Web3アプリケーションやプレイ・トゥ・アーンゲームでのクエスト）は、異なるチェーン上のユーザーの過去のアクティビティや実績に基づいて、ベストマッチを見つけることができます。Galaxy Networkは、特定のタスクの採用に必要なカスタマイズされた履歴書をキュレートできるデータを提供しています：ギルドに参加するために、プレイ・トゥ・アーンゲームの収益履歴が表示され、コミュニティアンバサダーに選ばれるため、コミュニティのすべてのエンゲージメントバッジを提示できるようになります。
3. ターゲットマーケティングのパラダイムを変えること。Web3アプリケーションは、既存のWeb3クレデンシャルを使用して、適切なオーディエンスをターゲットにして、特定の行動にインセンティブを提供することで、採用をブートストラップすることができます。この種のターゲットキャンペーンを、公開行動データなしでWeb2設定で再現するのははるかに困難です。

クレデンシャルネットワークやオンチェーンデジタルアイデンティティは、Web3スタックの中核となるコンポーネントです。これまでは、これらのネットワークをブートストラップすることは、非常に複雑な作業や多大な労力が必要だったため不可能でした。今回の資金調達により、Project Galaxyは、すべての暗号資産エコシステム全体にサービスを提供する体制が整っています。Web3が成長し続け、より複雑なアプリケーションが構築されるようになると、アプリケーション開発だけでなく、真の暗号通貨ネイティブの方法でユーザーとやりとりしエンゲージする、フロンティアマーケティングキャンペーンの中核となる役割を果たすと予想しています。

Project Galaxyでは採用活動を行っています。取り組んでいる分野に興味がある方は、ぜひご遠慮なくご連絡ください。

開示：*Multicoinは、その投資活動に関連する利益相反を識別し、効果的に管理するために合理的に作られた書面によるポリシーおよび手順を確立し、維持、実行しています。*