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Crypto Mega Theses(暗号資産にとって巨大なテーマ)

Kyle Samani
Multicoin Capital
By Kyle Samani AND Multicoin Capital
2019年4月24日 | 16 minute read

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ご紹介

オープンな分散型台帳や無許可、検閲に強く、トラストを最小限に抑えた計算は、世界経済の大規模なセクターを再形成することになります。この考えにより、2017年にMulticoin Capitalを創設し、この分野で起業家、ビジネスリーダー、投資家とともに2年間を過ごした後、今まで以上に確信度が高まっています。

ここ数年、暗号資産エコシステムにおけるユースケースが急成長しています。この範囲を考えると、ユースケースが押収不可能な資産、検閲に強い予測市場、ピアツーピアのワイヤレスネットワーク、新しいオンライン広告システム、および管轄権のない企業にまたがる場合、基礎となるマクロテーマを定義することは困難です。

本論文の目的は、暗号資産のための3つの巨大な投資テーマを定義し、明確化することです。巨大な投資テーマは、市場規模が2019年の何兆もの米ドルで測定されるものと定義しています。

これらのテーマが10年以上にわたって展開され、当社のリターンの大部分を生み出すと予想しています。これらが発達すると予想される大まかな順序は次のとおりです。

オープンファイナンス株式、債券、不動産、通貨などの価値単位をオープン台帳で相互運用可能、プログラム可能かつ構成可能なものにすることによって、資本市場がよりアクセス可能かつ効率的になります。過去100年間に資本市場が急増したことで、莫大なレベルの富創造が可能になったのと同じように、オープンファイナンスにより、資本市場はより効率的になり、世界中のすべての人が利用できるようになります。

Web3Web3のビジョンは、テクノロジー大手、信用調査会社、広告主、医療プロバイダーなどが消費者データを保有する現状に対し、消費者が独自のデータを管理できるようにすることです。このパラダイムが変化すると、既存の企業が主な競争優位性(データ独占や関連するネットワーク効果)を失い、新たな価値を生み出す大きな機会を生み出すことになります。

グローバルなステートフリーマネー簡単に言えば、これをデジタルゴールドと考えることができます。しかし、「デジタルゴールド」の枠組みは狭すぎて、機会を大幅に軽視していることがわかります。グローバルなステートフリーマネーは、幅広い用途とユースケースの点でデジタルゴールドのスーパーセットであり、非常に大規模な対応可能市場を表しています。

序章:トラスト

これらのテーマの根本にある共通のテーマは、取引当事者間の信頼を低下させることです。近代経済は、トラストの積み重なりの上に成り立っています。私たちは、毎日どんなときでも、テクノロジー大手企業、銀行、保険会社、政府などを信頼しています。

私たちは、多くの企業や政府機関を信頼しているので、経済がどれくらいの信頼の積み重なりの上に立っているのかを忘れています。私たちは、一定の信頼の仮定の中で生まれ育った場合、それを仮定として認識することさえできなくなります。世界が複雑なことを考えると、信頼をしすぎていることに気付くのはこれまで以上に困難になっています。(例:ケンブリッジアナリティカ事件、マリオットホテル・ターゲット社へのハッカー攻撃、エクイファックスへのハッカー攻撃など)。

人類史上初めて暗号資産と自由市場経済によって統合されたオープンネットワークを使用することで、新たな信頼の仮定を生み出すことなく、特定の人間の行動を奨励することができます。これは微妙ですが、大きな変化です。

これは、信頼が本質的に悪いということではありません。しかし、すべてのリスクは信頼の上に成り立ちます。信頼の仮定が少ない世界をつくることで、システミックリスクを軽減し、最終的にはより健康かつ生産性の高い経済と社会を構築することができます。

テーマ:オープンファイナンス

オープンファイナンステーマは、時に、分散型金融、またはDeFiと言及されることもあります。しかし、中央集権型のレベルは投資テーマの基礎ではないため、オープンファイナンスという用語を好んでいます。分散型は、オープンファイナンスへの手段にすぎません。

信頼は、すべての金融サービスが構築される基盤です。

現在、大規模かつ成熟した資本市場は一般的に効率的ですが、誰もがアクセスできるようになっていません。これは、先進国と途上国の両方に当てはまります。

オープンファイナンスを可能にする重要なイノベーションは、金融プリミティブのモジュール化です。金融プリミティブをモジュール化することによって、オープンファイナンススタックは、信頼を共有化し、独自の信頼性を有するアプリケーションがないようにします。

金融プリミティブをモジュール化することは、抽象的なコンセプトです。金融プリミティブをモジュール化するということは、正確にどういう意味でしょう。

過去24か月間、多くのオープンファイナンスプロトコルが導入されました。これらのプロトコルは、すべてモジュール式であり、上位レベルのアプリケーションで使用されています(多くの場合、組み合わせて使用されています)。これらのプロトコルはどれも、エンドカスタマーに売り込みを掛けたり、カスタマーサービスを提供したり、現地の法律を遵守したりすることはできません。これらのプロトコルは、ブロックチェーン上に存在するコードにすぎません。これは、SMTP、TCP/IP、HTML/JSなどのオープンプロトコルスイートを使用してメールをブラウザに表示する方法と同じです。

たとえば、BlitzPredict(BP)について考えてみましょう。BPは、今後、AUugur0x、(そして近い将来)Makerプロトコルの上に構築されたスポーツ賭博に焦点を当てた取引所です。BPは、さまざまな市場を創出し、その結果においてシェアを創出し、最終的に市場を解散させる手段としてAugurプロトコルに依存しています。BPは、ユーザー間でシェアを取引する0xプロトコルに依存しています。また、取引を割り当てるために、BPは、Makerプロトコルを担保化したステーブルコインであるDAIを利用することになります。各プロトコルは、独立して機能します。これらはモジュール式なので、BPのような上位レベルのアプリケーションでは、基盤となる金融プリミティブを組み合わせて、これまで不可能だった信頼が最小化されたユーザー体験を実現することができます。

オープンファイナンス

大規模なウェブアプリケーションのイノベーション率を段階的に向上させることができる、クラウドのコモディティ化したサーバー導入と同じように、金融プリミティブをモジュール化することで、すべての金融サービスのイノベーション率を段階的に向上させることができます。

オープンファイナンスがオープンなため、誰もがオープンファイナンスプロトコルの上に事業を構築することができます。これが、オープンファイナンスにより、「アンバンクト(unbanked)」や「アンダーバンクト(underbanked)」(銀行に口座を持っていなかったり、あるいは十分な金融サービスを享受できていない人たち)の金融サービスへのアクセスが可能になる仕組みです。プロトコルは、消費者にサービスを提供するものではありません。地域の規制に対応し、ローカライズされたカスタマーサービスを提供する企業は、代わりに消費者にサービスを提供するでしょう。

この例として、UMAプロトコルが挙げられます。UMAプロトコルは、基盤資産の価格がリアルタイムで変化すると、両当事者が、常に自動的に再バランスした差分(CFD)契約を締結できるプラットフォームです。UMAプロトコルの上に構築された最初の製品は、S&P500への合成エクスポージャーでした。UMAチームは、米国を拠点に活動しており、登録ブローカーディーラーではありません。UMAチームは、作成したプロトコルを使用して取引を行っていません。

その代わり、世界中のマーケットメーカーが流動性を提供し、従来の資本市場のリスクを回避しています。これにより、世界中の誰もが手数料を支払わずに、仲介業者を経由せずに、また、カウンターパーティーのリスクを負うことなく(UMAスマートコントラクトは、各当事者が提示する担保のための「トラスト最少化」エスクローエージェントとして機能します)S&P 500に参加することが可能になります(UMAは手数料を取らない)。 世界中の「アンバンクト(unbanked)」や「アンダーバンクト(underbanked)」の40億から50億人が、デジタルマネーにアクセスできるようになるにつれて、当然、アクセスできない資産に投資したいと考えるようになります。米国株式市場を統制するルールにより、これらの人々が得たいと思う市場へのアクセスを難しくしています。しかし、UMAのようなプロトコルを使用することで、人類史上初世界レベルでの 金融包摂が可能になります。

このブレイクスルーの規模を、大げさに言いすぎているということはありません。初めて、金融市場はグローバルかつパーミッションレスになる可能性があり、多様なデリバティブ契約において、カウンターパーティーリスクがなくなるでしょう。これは最近まで不可能でした。

世界の金融市場のインフラは、オープンファイナンススタックに移行するでしょう。それは、オープンファイナンススタックが、地方、国内、国際企業などの何百万もの企業が、「トラスト最少化」の金融商品を、それらを最も必要としている人々や企業に提供するのを可能にするからです。伝統的な金融機関とは異なり、次世代のクリプトネイティブビジネスは、信頼がおけるものである必要はなく、また、新しい技術を構築する必要もありません。オープンファイナンススタックは、すべての取引が発生する金融プリミティブを一般化し、資産クラスや管轄領域をまたいで、真に流動性の高い資本フローが可能にします。これらの暗号資産ネイティブ企業が繁栄するにつれて、既存の企業もオープンファイナンススタックに切り替えることを余儀なくされます。

オープンファイナンスは理論的なものではありません。現在起こっているこの巨大なトレンドが今後10年間で倍増すると予想しています。過去18か月間、オープンファイナンススマート契約でロックされた資本の量は、0米ドルから4億米ドルに増加しました。

オープンファイナンスにおけるETH

2017年にファンドが創設以来、オープンファイナンスプロトコルや企業への評価と投資を行ってきました。例として、Augur、Maker、0xなどのプロトコルや、Dharma、BlitzPredict、Radar Relayなどのそれらのプロトコル上に構築をしてきた企業などがあります。(注:これらはイメージ例です。Multicoin Capitalは、必ずしもすべてを投資対象としていません。)

テーマ:Web3

オープンファイナンスが金融プリミティブのモジュール化に基づいているように、Web3は、データ所有権とアプリケーションロジックをアンバンドルすることをベースとしています。これまでWeb2アプリケーションは、データストレージとアプリケーションロジックをバンドルしてきました。Web3のパラダイム・シフトは、データとアプリケーションロジックのアンバンドルです。以前にバンドルしたものをアンバンドルすることで、データ所有者は、データに関して、アプリケーションプロバイダーを信頼する必要はありません。

a16z Crypto のChris Dixon氏は、分散化が重要になる理由でWeb3テーマを発表しました。Dixon氏は、GoogleやFacebookのような中央集権型プラットフォームは、株主に対する受託者責任のため、次のように、各エコシステムから価値を引き出すことから、価値を提供することに本質的に移行していると主張しています。

協力競合

Dixon氏の論文に基づいて組み立て、Web3をより具体的に定義します。Web3はデータの自己主権の所有と制御に関するものです。 これは、ネットワークの分散化を定義したDixon氏にとって重要な要素です。ネットワークが分散化されると、ユーザーデータを所有および制御する中央サーバーがなくなります。その代わり、ユーザーは自分のデータを所有および制御します。

Web2とWeb3のアーキテクチャの高レベルでの違いは明らかです。Web2モデルでは、企業はクローズドソースデータベースを管理し、技術的にも法的にもユーザーデータを所有しています。 Web3モデルでは、ユーザーは独自の暗号化データをInterplanetary Filesystem(IPFS)などのアーキテクチャ上オープンなネットワーク上で所有し、オープンでプログラム可能な台帳として機能するスマートコントラクトプラットフォーム上で暗号署名されたメッセージを使用して相互に対話します。

現在、インターネットの独占企業は、ユーザーにと取っての最善の利益に反して消費者データを利用しています(例:ユーザーデータの不正な共有や販売、広範囲なウェブ監視など)。さらに、データ独占は、これらの価値あるデータセットの上に構築できるアプリケーションを制限することで、イノベーションを阻止しています。

ユーザーが独自のデータを所有すると、データの独占が崩壊します。この後に来る2番目と3番目の効果は、新たな大きなチャンスを生み出します。1980年代にOS上に構築したソフトウェアの技術革新が倍増していくことや、2009年に数十種類のクラウドサービスで構成されるWebアプリケーションが登場したことをを誰も正確に予測できなかったことと同様に、データサイロを分離することで、(競合他社が協力している場合)世界で最大の開発者のコーぺティションが強化されるでしょう。約1年前に、ソーシャルメディアアプリケーションのコンテキストで開発者のコーぺティションがどのように見えるか(まだ、原始的ではありますが)を説明しました

Web3スタック上に構築された一連の企業が、Web2スタック上に構築された、既存のデータ独占企業をどのように置き換えるかは想像するのは困難です。Web3に対する最も目立つ主張は、「消費者はプライバシーやデータの所有権を気にしていない」です。

当社は同意します。消費者は、イデオロギーの理由からWeb3ベースの代替製品に切り替えることはありません。彼らは、実用的理由で切り替えます。

Web3スタックが成熟するにつれて、開発者と起業家は、Web2スタックではなく、Web3スタック上にアプリケーションを構築することを明確に選択することになります。なぜでしょうか?起業家は、Web2の独占企業に対して信頼を置くべきではないことを学んだからです。Dixon氏が「なぜ分散化が重要なのか」で指摘したように、「時間の経過とともに、最高の起業家、開発者、投資家は中央集権型プラットフォーム上に構築することに慎重になってきました。現在、数十年間、これを行うことは失望に陥ることになるという証拠が存在します。」

YelpからZyngaBuzzfeedにいたるまで、何千もの企業がWeb2の独占企業は信頼できるプラットフォームプロバイダーではないことに気付きました。ですので、開発者や起業家はWeb3スタック上に構築して、より優れた製品やサービスを消費者に提供する方法を見つけることができます。

Zynga

Tariプロトコルを考えてみましょう。Tariプロトコルは、デジタル資産の発行に特に重点を置いて、コンサートやその他のライブイベントのチケットをターゲットにして始まっています。Tariチームは、デジタル資産の発行とチケット発行を再考し、チケット詐欺とダフ屋という業界の2つの最大の問題を解決する機会に気付きました。

Tariは、Naveen Jain氏、Dan Teree氏、Riccardo Spagni氏によって設立されました。Naveen氏は以前、リンキンパーク、ボンジョビ、リル・ウェイン、キャリー・アンダーウッドなどのアーティストに技術を提供していました。Dan氏は以前、Ticketflyを設立し、それは、Pandoraに4億5千万ドルで買収されました。Riccardo氏は、最も古く、最も価値ある暗号通貨の1つであるMoneroの保守管理を先導しています。

このような優秀な起業家は、TicketmasterのようなWeb2独占企業が信頼できないことを知っています。彼らは、決してTicketMasterの上に構築することはありません。代わりに、Web3スタック上に構築することを選択します。

Web3のビジョンは、対象範囲について、非常に野心的です。イーサリアムが誕生するまでは、だれも、自己主権型ユーザーデータをサポートするソフトウェアを開発しませんでした。 Web2のパフォーマンスと規模に匹敵する「トラスト最少化」のテクノロジースタックを構築することは大規模な作業です。現在、世界中に何百ものチームがWeb3スタックを構築し、自己主権型データの「トラスト最少化」のコンピューティングをサポートしています。

Web3スタックはまだ新しいです。しかし、私たちは、Web3スタックの動作を垣間見ることはすでにでき、Tariのような特定のアプリケーションに焦点を当てているプロトコルや企業、この新しいテクノロジースタックのコアインフラストラクチャを構築する企業に投資しています。The GraphKeepLivepeerSKALESpring Labs StarkWareTextileに投資し、各社は、Web3スタックの重要なインフラストラクチャを提供しています。

テーマ:グローバルなステートフリーマネー

不換紙幣は、物理学の理論ではなく、人間社会における信頼に縛られているため、資金を管理する人間社会に大きな信頼を置く必要があります。

「トラスト最少化」のマネーにとって大きな機会があります。それは、人間社会ではなく、物理学、数学、自由市場経済学に縛られる元からデジタルの無記名資産です。そのマネーは、グローバルでステートフリーな価値の尺度、つまりお金になります。

グローバルなステートフリーマネーの機会について考える一番簡単な方法は、デジタルゴールドです。この構想は間違っていませんが、その機会を低く評価しています。

ビットコインなどの最新のレイヤー1ブロックチェーントークンがどのようにゴールドより優れているかは明らかです。デジタル資産は無限に分割可能かつ世界的に移動可能であり、供給スケジュールは100%監査可能かつ透明性もあります。これらの属性により、ステートフリーマネーの機会はゴールドをはるかに上回っています。私たちは、ステートフリーマネー市場規模は100兆米ドル、一方でゴールド市場は7兆米ドルだと議論しています。これまでに説明した主張の要旨:

1)ステートフリーマネーは、Uberがタクシーの市場を拡大したのと同じようにゴールド市場を拡大します。最もインフレに強いお金を必要とする人々は、年間インフレ率が10%を超える国に住んでいる5億人で、ゴールドに富を物理的に保存することはできません。また、一般に、資本市場にアクセスすることはできず、金庫にあるゴールドを購入する要求などできません。

グローバルステートフリーマネー

2.直感的に、超富裕層は、超インフレ国に住む人々よりも、むしろもっと、差し押さえに耐性のある資産を求めています。彼らの最優先事項は富を失うことではなく、そして、暗号通貨は「あなたの頭の中のスイスの銀行口座」として機能します。世界中のオフショア銀行口座には、およそ20~30兆ドルの資金が詰め込まれています。

3)有機的利回りを提供しないゴールドとは異なり、ブロックチェーンベースのマネーは、永続的、肯定的、リスクフリーレートを保証します(プルーフオブステークネットワークのステーキングを介した、または、プルーフオブワークネットワーク上のペイメントチャネルネットワークでの流動性ルーティングを介して)。ウォレン・バフェット氏などの多くの投資家は収率を生み出さないため、貴金属への投資を拒否しています。同じように、多くの大手機関投資家やファンドは、Amazonなどの企業を除いて、配当金を支払う株式にのみ投資しています。デジタルマネーはネイティブリスクフリーレートを提供するため、現在、ゴールドに投資できない大量の新資本がデジタルマネーに投資します。

4)新しい経済活動:オープンファイナンスとWeb3エコシステムは、ブロックチェーンで何兆ドルもの経済活動を可能にします。これらのブロックチェーンを駆動するネイティブトークンに、少なくともこのいくつかが流れてくると予想すべきでしょう。

ステートフリーマネーの機会を理解すると、次に生じる問題は、それはどんなマネーなのだろうか、となります。マネーのネットワーク効果を考えると、単一ステートフリーマネーに向けて自然な長期的収束があると考えています。

そのマネーがビットコインになる可能性はあまりありません。

ある資産がグローバルステートフリーマネーになる道程を説明する3つの主要仮説があります。

第一は、SOV仮説であり、(基本的な安全性と有用性を超えて)唯一重要となるお金の特性はその金融政策であり、そのため、インフレが最小のお金が勝つに違いないと主張するものです。この見解は、ほとんどの場合、ビットコイン過激主義者によって強く支持されています。

2つ目は、最も使用されているマネーがグローバルステートフリーマネーになると主張するというユーティリティ仮説です。この仮説を支持する人はまた、予測可能かつ信頼できる金融政策の必要性を認めています。しかし、彼らは、それを、どのネイティブブロックチェーントークンがグローバルステートフリーマネーになるかを決定する唯一の有効なものとして必ずしも優先しているわけではありません。この考えは、スマートコントラクトプラットフォーム内とその上で構築している人達によって最も強く支持されており、それは、これらのプラットフォームが、オープンファイナンスとWeb3のエコシステムを強化することで、最も多くのユーティリティを生み出す可能性が高いからです。

3つ目は、マネーを採用するために価格の安定性が必要だと主張するステーブルコイン仮説です。しかし、ステーブルコインは本質的なトレードオフに左右され、、私たちは、国際金融のトリレンマにより、アルゴリズムステーブルコインが時の試練に耐えられることはとても不可能だとわかりました。

私たちは、ユーティリティ仮説は、最も価値のあるマネーを生み出す可能性が最も高いと考えています。そのマネーは、人々が多種多様なアプリケーションで金銭として使用するお金で、グローバルステートフリーマネーになると考えています。ですので、スマートコントラクトプラットフォームと、オープンファイナンスとWeb3のビジョンを実現するのに必要なインフラストラクチャに時間とエネルギーの多くを投資しています。現在、イーサリウムはこの分野でマーケットリーダーですが、イーサリウムが勝利することを当然視してはおらず、その代わりにポートフォリオを確率論の使用によって管理しています。

結論

経済は、美しく複雑化されたマシンです。そのような驚くべき規模で機能することは、人間の社会の根底にある信頼の力を証明するものです。

経済と社会は、膨大な信頼に基づいていますが、その信頼は完璧なものではありません。人間は失敗してしまいます。そのため、人間の制度も失敗してしまいます。障害が複合的に発生し、連鎖的障害とシステムリスクを生成する可能性があります。

自由市場の仮定に基づいて構築し、暗号化により制約されたオープンネットワークによって、人間は、その信頼を悪用する可能性がある、信頼できる仲介業者を導入しなくても、歴史上初めて大規模に活動することができます。これが可能になり、経済の多くのセクターにおいて、既成の信頼の仮定全般を再確認し、驚くべき経済価値を生み出すことができます。

信頼ベースの経済から自己主権への移行は、人類史上最大級の財産移転に関わっています。

信頼とは、あらゆる経済関係の基盤です。生涯の最大の投資機会は、そういう必要はないと賭けることです。

Multicoin Capitalの投資テーマ「暗号資産巨大テーマ」は、2019年春のMulticoinサミットで発表されました。以下のプレゼンテーションをご覧ください。

*開示情報:Multicoin Capitalは、このレポートで取り上げた資産の一部を保有しています。Multicoin Capitalは、この記事に挙げられている資産について、記事公開から3日間「No Trade Period(取引禁止期間)」、「No Trade Policy(取引を行わない方針)」を順守しています。役員、取締役または従業員は取引禁止期間中、前述の資産を購入または売却してはいけません。*

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