本日、トゥシャー・ジェインと私は、 Multicoin Capitalという新しく興味深い事業を立ち上げたことを発表いたします。
Multicoin Capitalは、ビットコインやイーサリアム、その他多くの小規模なアルトコインなどの流動性のある暗号資産に限定して投資を行うファンドです。投資家の皆さまに、公開市場の流動性を持ち合わせたベンチャー経済を提供します。
Multicoin Capitalの誕生に至るまで
私たちは約10年前にニューヨーク大学で出会いました。当時金融を学んでいましたが、日頃からテクノロジーにも興味を持っていました。
2010年からの私たちのメールのやりとりをご覧ください:
2008年から2012年までニューヨーク大学に在学。在学期間、Foursquare、GroupOn、Instagram、Twitterといったモバイルアプリ到来の第一波を経験し、二人ともテクノロジーの魅力に取り憑かれました。卒業前、私は金融からエンジニアリングに方向転換し、その後はテキサス州オースティンにあるヘルス分野IT企業VeraSuiteにてセールスプロダクト管理に関する仕事に携わりました。トゥシャーもオースティンに移り、卒業後にはVersaSuiteに入社しました。
卒業して1年後、私はPristine(医療従事者向けのGoogle Glassアプリ)を、そしてトゥシャーはePatientFinder(電子医療記録データを用いて患者を特定し、臨床試験に採用する新しい方法)という会社をそれぞれ立ち上げました。2人は当時ルームメイトでしたが、古びたアパートから2つの異なる会社が生まれました。
2人ともベンチャーキャピタルから何百万ドルもの資金をかき集め、興味深い分野で有意義なビジネスをスタートアップしました。
しかし、金融に対する情熱は失われることはありませんでした。
私たちの暗号資産への投資は2013年に始まりました。しかし、2016年初頭、イーサリアムのとてつもなく大きな技術的なビジョンについて深い信念を抱き、本気で取り掛かることになりました。2016年夏のDAO事件を経て、イーサリアムへの投資を倍増させました。
イーサリアムが2017年に軌道に乗るにつれ、イーサリアムで上げた収益をさらに投機的な暗号プロトコルに投資し始めました。知人達にもそのような投資の話を持ちかけました。ファンドについての文書を1、2時間読んだ知人達は、「どういった暗号通貨ファンドに
投資できるか?」という同じ質問をしたのです。
こうして、Multicoin Capitalは誕生しました。
起業家としてトゥシャーと私は、商品と市場が買い手の関心にしっかりと合った時、すぐに手に入れたいという気持ちを理解していました。
5月上旬から本格的にMulticoinに取り組みました。2017年8月1日には第一段階のクローズを締結することができました。
ファンドの詳細
暗号資産に対して最も有望なユースケースを特定し、その中でチーム、プロジェクト、コミュニティを特定します。直接的 に競合するプロジェクトに賭けることで、リスクをヘッジします。現在では25種類の独自の暗号資産を保有しており、おそらく最も多様性のある暗号ファンドであると思います。
私たちの投資テーマは次のようにシンプルです:
プロックチェーンは世界中の業界の多くをまたがり、数兆ドル規模の経済活動に影響を与えます。暗号資産の供給は定められているため、需要が増加すると価格が上昇します。このように激しく変動し、急速に進化する資産クラスのエクスポージャーを管理する最も効果的な方法は、多様化されたファンドです。投資家の皆様へ、次のような3つの価値を提供いたします。
1) 主要な研究―暗号資産に対してテクノロジー第一のアプローチを採用。ホワイトペーパーを深く掘り下げて調査し、テクノロジーや経済学、ゲーム理論などを再考します。グローバルコマースの主要クラスを再考できるプロジェクトやプロトコルを探します。私たちの定量的および定性的なメトリクスに適合したプロトコルに投資します。新しい情報が現れ、市場環境が変化するにつれ、市場をモニタリングし保有量の調整を行います。
2) セキュリティ–エアギャップコンピューター上のコールドストレージに、全ての秘密キーを保管します。つまり、文字通りお金をコントロールする鍵である秘密キーは、インターネットから遮断して保管しています。さらに、プロトコルレベルでマルチシグネチャをネイティブにサポートしていない資産であっても、管理するすべてのアセットに対して、独自のマルチシグネチャサポートを実装しています。
3) リバランス – ポートフォリオを月ごとに 調整し直します。コールドストレージと組み合わせると、リバランスは困難を極めます。
さらに、第1回のクローズに参加してくれた2名の著名な投資家をご紹介したいと思います。
デイビッド・ジョンストンズ氏は、2012年にビットコインへの投資を始めました。世界中で500人のメンバーに成長したビットコイン分野における最初のエンジェル投資家グループ、BitAngelsを2013年に共同設立しました。2013年後半、デイビッドは、他のブロックチェーン上でビットコインのようなプロジェクトを構築するモデルを定義する分散型アプリケーションの一般理論ホワイトペーパーを執筆しました(これは、イーサリアムやその他多くのブロックチェーンの基盤を築くことになりました)。さらに2014年には、最初の暗号資産ベンチャーファンドであるDapps Fundを立ち上げます。このファンドは24か月で8倍ものリターンを達成しました。その後、Factom (トークンは1億5,000万ドル以上の価値を持つ有名な暗号プロジェクト)を共同創設し、現在は会長を務めています。Factom, Inc.は約40人を超える従業員を擁し、900万ドルのベンチャーキャピタルを調達しました。さらに、デイビッドはMulticoin Capital General Partnershipに投資するとともに、取締役員でもあります。
ジョシュア・ベアー氏は、次々と新しい企業を立ち上げており、オースティンで最大のコワーキングスペースとテクノロジーインキュベーターであるCapital Factoryの創設者およびエグゼクティブディレクターです。Pitchbookによれば、ジョシュアは、Capital Factory傘下の一連のベンチャーファンドを運営し、2013年以降テキサス州で最も活発な早期段階の投資家です。