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暗号資産のアイデア迷路からの難問

Kyle Samani
2018年12月20日 | 10 Minute Read

2018年が終わろうとしている今、私たちは暗号資産が抱える大きな疑問とその答えについて考えてきました。

(1) グローバルなステートフリー通貨、(2) 分散型/オープン/構成可能なファイナンス、(3) Web3という暗号資産における3つの巨大なテーマについては、ある程度明確になりつつありますが、社会がどのようにそれらを実現していくかについては未だ不透明です。つまり、暗号資産のアイデア迷路からの難問は現実に存在しているのです。私たちの友人であるJon Choiは、数か月前に素晴らしい暗号資産のアイデア迷路についての投稿を公開しました。

Jonの投稿を読み終えた後、精神的に行き詰ってしまうかもしれません。このような状態を打開する方法の1つに、物事を細分化し、複合化してから道を見つけるという方法があります。物事を複合化することで、問題や機会を新しい見方で見直し、アイデアの迷路から抜け出すことが可能になります(例えば、UberがUber Eatsを成功させるには、運送事業で培った巨体な物流インフラストラクチャとドライバー群を予め所有していなければ不可能だった、というなことです)。

Jonの投稿のポイントは、まさにそのようなアプローチを意味しているのです。物事を細分化して、暗号資産業界全体が抱える未解決な問題の答えを探し出すのです。この投稿の副次的な役割に、2018年末時点のMulticoin Capitalの考えを将来振り返って評価できる点があります。1年後の私たちはこれを振り返って笑ってしまうでしょう。それでいいのです。

暗号資産が影響を与える(そして暗号資産に影響を与える)ものをすべて明確に区別することは不可能ですが、ここではわかりやすくするために主要な質問の整理を試みました。

一部のセクションはかなり専門的な内容になっています。内容を分かりやすくするため、各セクションは技術的に難易度の低いものから高いものへと順番に並べています。

価値の獲得

  1. Web3スタックのどのレイヤーが現在、そして将来、価値を獲得できるのでしょうか。
  2. AugurCosが規制当局に予測市場は悪者ではないことを証明し、規制当局が予測市場を合法化するとしたらでしょうか。なぜAugurCosは引き続きAugurを使うべきなのでしょうか。
  3. どうすればガバナンストークン(例えばZRX)のガバナンスの価値を客観的にモデル化できるのでしょうか。
  4. これをフォーキングのコストとしてモデル化することを試みた人もいました。これはメンタルフレームワークとしては適切かもしれませんが、現実的には極めて主観的なモデルが出来上がるはずです。
  5. 防御力を維持するためにプロトコルが保存できるステートにはどのような形式があるのでしょうか。
  6. Makerは、預けられた担保の価値を保存します
  7. Augurは、それがオラクルとして機能したイベントの履歴と、現在市場に固定されている預託資本を保存します。
  8. SkaleKeepGraphLivepeerなどのワークトークンは、レイヤー2ノードとそれらが実行している作業に関する情報を保存します。
  9. 0xは、ユーザーがどのようにコントラクトと関わるかについて少量のステートを保存します。ステートの合計量は、十分に統治力を発揮できるほどの価値がありますか。
  10. 不換通貨から暗号通貨への橋渡しを考えるとき、勝つのは誰でしょうか。
  11. 今のところ、Coinbaseがリードしているように見えます。
  12. 一方で、RobinhoodRevolutGood Moneyのようなスタートアップ企業は、消費者の不換通貨の銀行と暗号通貨との橋渡しの両方になれるように、顧客体験のはしごをさらに伸ばしています。
  13. また、Fidelityのような従来型の資産運用会社も市場に参入しています。
  14. これらのうちどのプレイヤーがネットワーク効果を生み出し、スケールメリットで競合他社を圧倒していくのでしょうか。
  15. いつ、どのような状況で、各社の決済通貨はフォークされるのでしょうか。
  16. DDEXは、ZRXをフォークしました
  17. GNT、RDN、BAT、その他多くの通貨がフォークされようとしています。
  18. Braveブラウザのような外部のコントロール拠点によって、BATのような独自の決済トークンは何らかの価値を維持できるようになるのでしょうか。
  19. Bitcoin Private、Litecoin、Ethereum Classicのようなゾンビチェーンは、どのような状況で消滅するのでしょうか。
  20. 明確な答えとしては、マイナーがマイニングを止めるときです。マイナーは、マイニングしたコインが売れる限りマイニングを続けます。つまり、誰かが喜んで購入している限り、チェーンは存続することになります。
  21. 取引所が資産の上場を廃止する理由には、開発チームが不正を働いた場合を除くと、主に2つの理由が考えられます。
  22. まず、流動性が低下し、取引ペアを維持するための管理コストがその資産の取引から得られる収益を上回った場合です。
  23. もう一つの理由は、チェーンが51%攻撃を受け、攻撃者が取引所から資金を盗めるような状況となった場合です。

ゲーム

  1. どのようなゲームのユースケースが実際にゲームを改善するのでしょうか。
  2. ゲームプレイヤーは、キラー、アチーバー、ソーシャライザー、エクスプローラーという4種類に分けることができます。この中で、真のデジタル希少性や自己主権型の所有権に最も関心を持つのはどのプレイヤーでしょうか。

ステーブルコインとフィアットコイン

  1. どのようなステーブルコインがDappsにユーザーを呼び寄せることができるのでしょうか。不換紙幣、シニョリッジシェア、それとも担保付のステーブルコインでしょうか。
  2. 最初のシニョリッジシェアベースシステムは、いつ信頼性の危機に陥り、崩壊するのでしょうか。
  3. 担保付ステーブルコインの資本効率の悪さを考えても、1兆ドル以上の規模に拡張することはありえるのでしょうか。
  4. 担保付ステーブルコインが、経済における無規制のレバレッジ(シャドーバンキング)の典型的な例だとすると、どれだけの需要が見込めるのでしょうか。消費者がMakerのようなシステムを使って住宅ローンを組んだり、株式ポートフォリオにレバレッジをかけることは可能になるのでしょうか。規制の厳しい株式市場や債券市場でレバレッジの大半を担っている大手ヘッジファンドはどうなるのでしょうか。
  5. 不換紙幣に担保されたステーブルコインは、ベネズエラ、アルゼンチン、その他の超インフレ国に住む人々に「出口」を提供するというビットコインのビジョンを実現できるのでしょうか。
  6. 米ドルは世界で最も認知された通貨なのに、なぜこれらの人々はUSDCやDAIではなく、BTCを選ぶのでしょうか。
  7. 自国の不換紙幣をKYCなしでパーミッションレスでグローバルなパブリックブロックチェーンに移行し、通貨発行特権を最初に保持するのはどの国になるのでしょうか。
  8. 信頼されている国(スイスやシンガポールなど)にとって、これは間違いなく地球上で唯一最大のアービトラージ(鞘取りsです。これを実行した国の中央銀行は、自国通貨の需要を途方もなく高め、自国と国民を瞬時に豊かにすることができます。

トークン化された証券 1. 証券は基本的に無記名資産ではありません。それにもかかわらず、なぜブロックチェーンを選ぶのでしょうか。- 最良な答えとして考えられるのは、管理効率に関するものです。- しかし、より興味深い長期的な答えは、価値はトークン化することで組み立て可能になり、オープンファイナンススタックの一部として使用することが可能になるというものです。

  1. パブリックDLTの成長により、従来の金融機関が従来のシステムの技術的欠点に対応した許可制DLTの実装を急ぐような展開はありえるのでしょうか。
  2. 株式保有者が、例えば10年間株式を売却しないといった特定の行動を暗号で約束することで、同じ約束をする意思のない株式保有者にくらべて何らかの優遇措置を受けられるような法的構造を講ずることはできないのでしょうか。

ジェネシストークンの分配

  1. レイヤー2トークン以外の通貨で、創始時点でのトークン分配は重要でしょうか。理論的には公平だが、現実的には不公平な通貨についてはどうでしょうか。
  2. サトシ一人が全BTCの5%を保持しているものと思われています。他の初期のマイナーが、BTC供給の15~20%程度を保持しているものと思われています。
  3. Ethereumは創業時、7,200万ETHをICO参加者約9,000人に分配して開始しました。現在では1億弱のETHが存在します。ETHがいつ供給上限やテールエミッションに移行するかは不明ですが、現在の供給スケジュールを考えると、1億5000万ETHに達する前に移行が起こるものと思われます。この通りに移行が実施されれば、全ETHのうち、50%弱が開始ローンチ時に分配されたことになります。
  4. Dfinity財団は、開始時に全DFNトークンの40%以上を所有していたことになります。
  5. Ripple社とその創設者は、全Rippleトークン(XRP)のうち60%以上を所有しています。

ガバナンスとリンディ効果

  1. チェーンはどのようなタイミングでアップグレードすべきでしょうか。
  2. アップグレードする状況も考慮すべきでしょうか。
  3. アップグレードは致命的なバグが発生したときだけに実施すべきなのでしょうか。(注:この質問に「はい」と答えることは、基礎となるプロトコルが純粋な客観性に基づかず、若干の主観性を含むことを意味します)
  4. アップグレードは「初期」に頻繁に行い、チェーンが進歩するにつれてその頻度は下がっていくのでしょうか。
  5. ハードフォークの決定はどのように行われるべきなのでしょうか。
  6. オフチェーン、つまり主観的に決定しますか。
  7. それとも1票、1コインの投票で決定しますか。
  8. 1人1票や二次投票を可能にする自己主権型アイデンティティや他のシビル防止機構を考え出すことはできるのでしょうか。
  9. コードに規則を設けるべきでしょうか。
  10. そのような仕組みを発案できない場合、どのように紛争を解決に導けばいいのでしょうか。厳密に、オプトイン方式とオプトアウト方式のどちらかを選択すべきなのでしょうか。
  11. ネイティブプロトコル層のサポートは必要ですか。もし必要なら、紛争がどの「管轄区域」で仲裁されるべきか、どうやって知ることができるのでしょうか。
  12. 仲裁サービスの世界市場が成長するにつれ、人々は商取引を誘致するための競争の一形態として新しい管轄区域を作り出し、最終的にはそれらの管轄区域で仲裁サービスを提供することで収益を生んでいきます。ブロックチェーン上にのみ存在する、初の完全バーチャルな法的管轄区域はいつ見られるのでしょうか。
  13. 通貨の「硬さ」はハードフォークと単調に逆相関するのでしょうか。
  14. 例えば、数多くのハードフォークを含む10年にもわたるブロックチェーンの競争の後、たった一つのスマートコントラクトプラットフォームだけが勝ち残り、そのチェーンが数兆ドルもの商取引を支えるとします。しかし、総ユーザー数が成長し続けるにつれて単に慣性が大きすぎるため、ハードフォークはなくなることでしょう。過去にフォークしていたとしても、将来的にフォークするとは思えない資産を、人々や金融機関はハードマネーとみなすのでしょうか。

金融政策

  1. コモディティマネーデジタル資産は、部分準備銀行制度に適合しているのでしょうか。
  2. 銀行が破綻した場合、誰が最後の貸し手となるのでしょうか。
  3. 量的緩和(QE)は本質的な悪なのでしょか。
  4. 長期的に見ると、ほとんどの国の、ほとんどの通貨がハイパーインフレを起こしていることを考えれば、答えは明らかにイエスです。
  5. しかし、米国のような国では、QEが大恐慌と金融危機の際にそのシステムを救うのに役立ちました。あるいは、Ray Dalioの口癖である、QEは「美しいデレバレッジ」を可能にするという意見もあります。

プライバシー

  1. Zcash、Monero、Grinのようなスタンドアローンのプライバシーコインは生き残ることができるのでしょうか。
  2. すべてのプライバシーシステムが「集団の中で道に迷う」ことを前提に存在し、最大の勝者となったスマートコントラクトプラットフォームがプライバシーシステムの技術をすべてコピーするなら、プライバシーコインが存続する理由とは何でしょうか。
  3. 消費者がオンラインのプライバシーに関心を抱く日はくるのでしょうか。何が、消費者にプライバシーへの関心を抱かせるのでしょうか。

流通

  1. ここまで述べてきたことは大して重要なことではなく、流通だけが重要なのでしょうか。もしそうなら、Telegram、Facebook、Googleなどは、自分たちの販路を活用して勝つ方法を見出すことができるのでしょうか。
  2. 最高のユーザー体験を提供するために、チームはTari/Big NeonやAlgorandのようにフルスタック化すべきなのでしょうか。

拡張化と分散化

  1. ブロックチェーンを拡張するには、基本的に7つの方法があります。Vitalikはそのうちの5つを強調していますが、さらに2つの方法があります。多くの独立したチェーンや大きなブロックは、拡張型トリレンマとしても知られるパレート効率フロンティア上で稼働しますが、6番目の方法では、パレ―ト効率フロンティアに対抗するためにコンセンサスを改善します。7番目の方法は、Codaで実施されたようなZKPの再帰的構成です。

つまり問題は、パスとの依存性ムーアニールセンの法則を考慮した上で、最適な順位付けを行うにはどうすればいいのかということです。

  1. レイヤー1とレイヤー2のスケーリングの正しい組み合わせとはどのようなものでしょうか。
  2. レイヤー2のスケーリングだけに頼ると様々な種類の2次的な問題が発生します。
  3. ユーザーはどのようなPlasmaチェーンにいるのでしょうか。
  4. 可能性のあるPlasmaチェーンとはどのようなものなのでしょうか。
  5. PlasmaチェーンからNFTを引き出すのに時間がかかるのはなぜでしょうか。
  6. Plasmaチェーンから即座にNFTを引き出す場合、なぜ10ベーシスポイントを支払うのでしょうか。
  7. 10ETHを所有しているはずなのにウォレットを見ると4ETHし表示されない、といった経験をしたことはありませんか。

これらはすべて根本的に解決することが可能ですが、レイヤー2のスケーリングに依存すると、短期的にはこのようなUXの問題が多発することは明らかです。レイヤー2ソリューションの多様性を考えると、この複雑性をすべて抽象化したUXの開発方法を市場が獲得するまでに数年はかかるものと思われます。レイヤー1のスケーリングに焦点を当てた場合、1,000倍以上の改善が期待できるソリューションは、スーパーノード(ブロック生成の集中化、すなわちEOS)と、ZKPの再帰的構成、すなわちCodaです。EOSは「最も簡単」なアプローチですが、最終的にEOSが他のすべてのイノベーションを採用したとしても回収できないほどのお荷物を生んでしまう恐れがあります。Codaのアプローチは、実際に機能させるためにはZKP壁時計の証明時間を少なくとも1,000倍は改善する必要があるため、技術的なリスクが最も高い方法です。その一方で、おそらくレイヤ1のスケーリング方法の中では「最もクリーン」な方法と言えます。

シャーディングは近いうちに機能するのでしょうか。Ethereumのシャーディングロードマップは何度も延期され、作り直されてきたため、現時点ではそのタイムラインを真に受けることは困難です。シャーディングが最終的に機能することは間違いありません。一方で、多くの未解決な問題が残っています。シャーディングが機能するようになったとしても、前述したレイヤー2のスケーリングに関するUXの問題が、基本的に出てきます。そのため、シャーディングのロールアウトは大幅に遅れるはずです。十分な検閲耐性を確保し、データの可用性に関しても十分高い保証を提供するには、何人のブロック生産者やマイナーが必要なのでしょうか。定義上、ノード数の増加とともに検閲への耐性とデータの可用性は低下し、ネットワーク性能も低下します。ビットコインで重要なのは、15個未満のマイニングプールと、無報酬のバリデータとして機能する1万程度のフルノードがいることです。マイナーは取引の順序に関するコンセンサスを提供し、フルノードは取引の有効性に関するコンセンサスを提供することに注意してください。Ethereum 1.0で重要なのは、25個未満のマイニングプールと、無報酬のバリデータとして機能する7,500程度のフルノードがいることです。EOSでは、21名のブロック生産者(BP)と、報酬を受け取って機能するバリデータ60名程度のバックアップBPがいます。さらに、無報酬のBPが約200名います。Tendermintは100〜300名の報酬を受け取って機能するバリデータのサポートを受けて、無報酬のバリデータはいない状態で開始するようです。Codaでは、BPは1000名未満になるでしょうが、すべてのユーザー(デスクトップとモバイル)が、Codaが生成する再帰的SNARKの正しさを検証できるようにフルノードになるはずです。5万人がCodaを採用すると仮定すると、5万ノードがチェーンの完全性を検証することになります。Cosmosゾーンのような多数の小型チェーンが存在するのか、Ethereumのような少数の大型チェーンが存在するのか、全チェーンがPolkadotのようにマルチチェーンシステムの一部として存在するのでしょうか。多数の小型チェーンが存在する場合、セキュリティはどのように保証されるのでしょうか。大型チェーンが存在する場合、スケーリングはどのように行うのでしょうか。マルチチェーンが存在する場合、安全性に関して、それらの総和よりも大きなリターンを生み出すことはできるのでしょうか。Plasma上のEVMの実行が未解決な問題であることを考えると、レイヤー2チェーンに対する正しいアプローチにはどのようなものがあるのでしょうか。EVMの完全な実行ではなく、資産の移動(Plasmaキャッシュ/デビットなど)のみをサポートするハンディキャップ版Plasmaを採用します。これは、LoomElphが構築しています。Plasmaが絶対的な安全性を保証するのに対し、安全性に確率的なアプローチを提供するSkaleを採用し、ネットワークを成長させ、Plasma上のEVMが解決してから最終的にフルPlasmaに移行します。レイヤ2の実行をゼロ知識実行(こちらこちらを参照)のようなものにどの程度置き換えることができるのでしょうか。決済ネットワークやステートチャネルネットワークは、有意義な流動性をルーティングできるような形で発展していくのでしょうか。取引所以外のエンティティが実際に流動性ハブとなり得るのでしょうか。独立した企業がこれを実現することは可能でしょうか。もし実現できるのなら、彼らはビットコイン価格上のバランスシートのリスクを負わずにこれを実現することは可能でしょうか。今日のビットコインの借入コストが約12%であることを考えると、ユーザーはそのようなコストを受け入れて、決済チャネルを経由して支払いを行うのでしょうか。

WEB3スタック

  1. インターネット上の非同期通信やコンテンツ共有プロトコル(メッセージング、ソーシャルメディア、メッセージボードなど)をどのように分散化するのでしょうか?
  2. FreenetZeronetScuttlebuttは異なるネットワークスタックに依存し、ノードの可用性と P2P 信頼モデルに基づいて、様々な種類の情報をふれまわっています。しかし、いずれのシステムもほとんど使い物になりません。これは、論理的に集中管理されたストレージとデータベースシステムがないことが主な原因です。
  3. IPFSは論理的に集中化されていますが、構造的には分散化されたストレージを世界に提供しています。ただし、Filecoinが永続性を確保するためにどのように機能するかはまだ不明です。
  4. Textileは、鍵管理、様々なタイプの一方向/双方向関係モデル、認証など、開発者がIPFSで必要とする、複雑な追加機能をすべて抽象化するツールを構築できるのでしょうか。
  5. 分散型データベースはどのようなものになるのでしょうか。

開発者は、Bigchain Bluzelle Chromapolis Picoloのようなものにデータを保存するのでしょうか。これらは実質的に、従来のデータベースに不変性とプルーフオブステークのプロパティを追加したようなものになるのでしょうか。それとも、開発者はデータをIPFS(と、おそらくEthereum)に追加し、The Graphを使用してクエリを実行するのでしょうか。あるいは、開発者はもう少し強い制御が可能な、IPFS上の分散型イベントログの上に様々なタイプの構造化データベースを提供するOrbitDBのようなものを必要としているのでしょうか。Web3スタックの動作部はどの程度分散化する必要があるのでしょうか?計算の完全性の証明を提供するためのSTARKの統合が容易になるにつれて、Web3スタックの動作部のサービスがSTARKの証明を提供する中央集権型のサービスとして改善されないのはなぜでしょうか。検閲は最高の対抗手段です。しかし、市場には2つか3つ以上のSTARK化されたWeb3サービスが必要なのでしょうか。

パーミッションチェーン

  1. パーミッションチェーンやコンソーシアムチェーンは、ゆっくりと静かに成長しています。どの段階でそれらはパブリックチェーンと「結合」するのでしょうか。そしてそうなったときにパーミッションチェーンとパブリックチェーンにはどのようなメリットがあるのでしょうか(これは、インターネットとクラウドが使用可能になる前に、企業がイントラネットを構築し、その後イントラネットサービスをクラウドサービスと統合し、移行させたのと似ています)。

ゼロ知識証明(ZKP)

  1. ZKPはすべてを壊してしまうのでしょうか。
  2. Nick Szaboがソーシャルスケーラビリティに関する画期的な記事で明確にしたように、技術的な非効率性がソーシャルスケーラビリティを生み出します。つまり、1万以上のノードが独立してビットコインのブロックチェーンの整合性を検証するという仕組みによって、ビットコインは誰にとっても社会的スケーラビリティを持つようになるのです。
  3. ZKPを使えば、1つのノードが計算(ここでは台帳の状態を更新します)を行い、誰もが検証できる証明を作成することができます。このように整理していくと、レイヤー1とレイヤー2の両方でZKPを含めた設計が可能なのに、冗長性と非効率性を伴うトラスト最小化システムを構築しなければならない理由についての疑問が生まれます。
  4. 最大の技術的障壁は性能です。この障壁を超えるには、ZKP壁時計の証明時間を少なくとも1,000倍は改善する必要があります。

結論

今年は、上記の質問を考えるのに多くの時間を費やしました。これらの疑問のいくつかに対して、合意には至っていないが強い確信を持ち始めています。大半の疑問はまだ未解決です。

最終的に、これらの問いに答える唯一の方法はデータを用いることです。そのデータは、驚くべきことにすべてブロックチェーンの中に存在し、誰でも調べることができます。後から考えて、この種の質問に答えるのは簡単ですが、不確実性が残っている中、確信を持って質問に答え、ポートフォリオの配分を決定するのは非常に困難です。

Multicoin Capitalでは、可能な限り社内のデータサイエンスインフラストラクチャに投資し、このような質問によりよい回答が提供できるように改善を重ねています。また、起業家や開発者の方々と多くの時間を過ごし、何がうまくいき、何がうまくいっていないのかを見極められるよう努力しています。時には、開発者からのエピソードが投資決定を下すための確信につながる場合があります。

2019年は多くの既存の仮説が覆され、多くの仮説が生まれることでしょう。例えば、分散型/オープン/コンポーザブル金融の巨大なテーマは、2018年に入っても一貫性を持つことはありませんでした。2019年に入ると、その機会は非常に明確になっています。

これを読んだ後、その不確実性の高さを考えると、「なぜ私たちはこれに人生を捧げているのか」と問うのは自然なことです。

不思議なことに、実装の詳細が信じられないほど不確かであるにもかかわらず、最終的な成果については驚くほど明確になっています。それは、3つの暗号資産の巨大なテーマです。(1) 100兆ドルのグローバルでステートフリーの通貨 (2) オープン/分散/コンポーザブルな金融 (2) Web3(データの自己主権型所有権)。

Multicoin Capitalは自分たちの目指すところがどこかを理解しています。そして、それに向けて努力を続けています。

暗号資産のアイデア迷路の原文を執筆し、この記事にフィードバックを提供してくれたJon Choiに謝意を表します。

ボーナス:Zao Yangによる、2015~2018年の暗号通貨における未解決な問題の変遷についての素晴らしいスレッドをご覧ください。

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