暗号的にバインドされたピアツーピア(P2P)のネットワーク(以下、「クリプト」)は私達の生涯を左右する技術の1つになるでしょう。これら技術は、根本的に社会組織を新しい形にすることを可能にします。
これは大胆な主張です。いったん暗号資産を理解したら、なぜ暗号資産が新たな社会構造を可能にするのかもおわかりいただけるでしょう。これまで私は多くの人々にこのコンセプトを説明しようとして理解されませんでした。暗号資産が持つ最も奥深い意味を理解することは容易ではありません。暗号資産は近代の社会構造と資本主義の基本理念の多くに疑問を呈するものだからです。
背景
世界中の有名企業の多くはピアツーピア(P2P)ネットワークであると主張しています。これらのネットワークはこれまで全く不可能だった方法で需要と供給を結びつけます。
一番わかりやすい例はeBay、Uber、AirBnB、ニューヨーク証券取引所、Facebookでしょう。しかし他にも、例えばアップルはデベロッパーを消費者とつなぎ、アマゾンは販売者を消費者とつなぎ、グーグルはウェブサイトの所有者と検索者をつなぎ、保険会社や銀行はそれぞれの顧客をプールされた資本を通じてつないでいます。
潜在需要と供給をつなぐネットワークは経済の基盤です。これらのネットワークが何十兆ドルもの経済的価値を生み出しているのです。これらのネットワークはネットワーク効果により巨大化します。いったんクリティカルマスに達し たネットワークの成長を止めることはほぼ不可能です。
しかし問題があります。
これらのネットワークはピアツーピアと言っていても、実際はそうではありません。実はネットワークオペレーターが仲介役となってネットワーク参加者から賦課金を徴収します。これらの賦課は絶対に必要な場合もあります。例えば、eBayのユーザーはサーバーに対して、AirBnbのユーザーは保険に対して、アマゾンのユーザーはカスタマーサポートに対して、料金を支払う必要があります。
しかし、賦課金の一部には、不要なものもあります。それは利益です(Uberジョーク)。
時間が経てばすべてのネットワーク・オペレーターは賃料を求めるようになるのです。大抵の場合、初日から賃料が求められます。
暗号資産自由主義者たちが「トラストレスな」商業と言う場合、彼らは賃料を求める仲介者、つまりネットワーク・オペレーターを排除することを言っているのです。つまり、賃料を徴収する仲介者を介することなく、企業と消費者双方のネットワーク参加者を互いにつなぐ、ということです。
これを想像するのは容易ではないかもしれません。ネットワーク・オペレーターがいなかったら、誰がアプリを作るのか?サーバーを誰が操作するのか?消費者同士がどうやってつながるのか?誰が取り引きのルールを定義するのか?公正な支払いをどうやって確保するのか?払い戻し、レビュー、カスタマーサービスは誰が管理するのか?
その簡単な答えは、トラストレスな、暗号的にバインドされたネットワーク・プロトコルです。
これはどういうことでしょうか?
これを、次第に抽象的になる4つの例を使って説明します。
分散型クラウド
世界中のコンピューティングリソースの大部分(コンピューター、ストレージ、帯域幅)は、ある時点では使用されていません。消費者も企業もそのハードドライブも大半が空で、CPUは3%程度の稼働率で動いています。にもかかわらず、アマゾンやグーグル、マイクロソフト、IBMなどの企業はデータセンターの増設を続けているのです。これはばかげたことです。
Filecoin、STORJ、Sia、Swam、SAFEは、誰もが他の人のハードドライブに安全にファイルを保存できるプロトコルです。ファイルの所有者はいつでもファイルを取り出すことができ、ファイルを保存する人たちは自分たちが何を保存しているのか、全く知りません。ハイレベルでは、これは標準的なファイルの暗号化、シャミアの秘密分散法、コンテンツベースのアドレスには分散ハッシュテーブルという非常にシンプルな方法で実現できます。
各プロトコルは、使っていないストレージスペースと帯域幅を持つ人々が他の人のファイルを保存し、収入を生み出すために競争できる市場を生み出します。これらのプロトコルは、使わなければ収入を全く生み出さない余ったストレージを活用するため、これらのプロトコルは、ストレージを貸し出すことを目的としてストレージを購入する大規模なデータセンターよりもずっと低いコストでストレージを提供できます。この記事では企業規模のサポートについては触れませんが、これらのプロトコルが、組織がサポートなどの付加価値レイヤーで競えるように設計されていることは、特筆に値するでしょう。
これらの各プロトコルは真にピアツーピアです。ユーザーはコンテンツを他の人のハードドライブに保存します。誰が保存するかを気にすることはありません。ユーザーとユーザーのファイルとの間には誰もいないのです。仲介役も賃料を課す者もいません。ネットワークにファイルを保存して、ネットワークに支払うだけです。
GolemとElasticは基本的に同じことを行っていますが、保存ではなく計算が目的です。
分散型ストレージと計算にとって、巨大な機会は「分散型Dropbox」ではありません。大半の人はDropboxの無料ユーザーなのです!これらのプロトコルにとって真の機会はインターネットアプリケーションの原動力となることです。「やることリスト」やメモ書き、チャット、ファイナンスなど、大半の(もしかしたら全ての?)アプリはやがて、プライベートデータセンターではなく、グローバルに張り巡らされた一般人のコンピューターネットワーク上で実行されるようになるでしょう。
分散型予測市場
Augurは分散型予測市場です。それは何を意味するのでしょうか?有名な中央集権型市場、ラスベガスのスポーツ賭博と比較してみましょう。
ラスベガスのカジノは、合計掛け金の10%程度を「テイクレート」と呼ばれる手数料として差し引きます。彼らは結果の仲裁をするために必要だとしてこの手数料を正当化しています。カジノ側は、1)エクスローとしての業務と、2)誰が 勝ったかの報告業務、3)賞金を勝者に渡す業務という3つの業務の手数料として10%を課すのです。それに10%もかかるはずはありません。これは正気の沙汰ではありません。
分散型予測市場の問題点は、部屋のスイッチを入れて誰が勝ったかを告げる者が誰もいないということです。どのようにして賭けの決着を付けたらよいのでしょうか?市場参加者の投票に任せるわけにはいきません。9人対1人という賭けで1人の方が勝った場合、多数決で9人側に勝たせるわけにはいかないからです。
ラスベガスが10%で行うことをAugurプロトコルは約1%で行います。Augurネットワーク内のネットワーク参加者、$REP保有者は、ネットワークから支払いを受けて、イベント結果を真実に基づいて報告します。
その仕組はどのようなものでしょうか?
Augurネットワークはスマートコントラクト上で実行されます。簡単に言えば、スマートコントラクトは、コードによってバインドされたトラストレスなエスクローサービスとして機能し(人間の介入なし)、既定の条件に基づいて金銭をリリースします。AugurのネイティブのREPトークンを使用してAugurネットワークで賭けを行うことはありません。賭けにはビットコインやイーサのような他の暗号資産を使うことになります。Oraclizeのようなサービスは、バスケットボールの試合の結果をnba.comからAugurスマートコントラクトに自動的に伝えます。スマートコントラクトはゲームのスコアに基づいて賭けの結果を決定し、勝者に賞金を配布します。
賭けに負けた方の誰かがnba.comが間違っている(例えばハッキングされた場合など)またはOraclizeがデータを改ざん したと考える場合は、もっと多くの金額を賭けてその結果に異議を唱えることができます。この時点でAugurスマートコントラクトは、REP保有者にバスケットボールの結果に投票するよう求めます。REP保有者が投票によって異議申し立てを却下すると、異議を申し立てた者は異議申し立てを開始するために出した保証金を失うことになります。さらに、「間違った方」に投票したREP保有者(多数派に対する反対票を投じた者)も、一部のREPを失うことになります。つまり、賭けに負けた者にとっては、REP保有者の過半数がOraclizeとは異なる結果を報告すると信じる場合のみ、Oraclizeによる報告結果に異議を唱える動機が生じます。同じことがREP保有者にもいえます。REP保有者には他のREP保有者全員が投票する通りに投票する動機があるのです。
このシステムが働くのは、REP保有者が市場参加者から独立しており、グローバルで疑似匿名性があるREP保有者が大規模に結託することがほぼ不可能であるためです。賭けに負けた側とREP保有者が他のREP保有者を見つけ、結託して虚偽の結果を報告するよう強要することは容易ではありません。たとえREP保有者が結託して意図的に虚偽の結果を報告したとしても、Augurネットワークの信頼は失われ、REPトークンの価値が落ち込むため、結局は結託した者たちが損をします。
Augurプロトコルが取り扱うのはこうしたロジックで、イーサリアム・ブロックチェーン上に存在します。政府を含む世界中の誰もこのスマートコントラクトを削除したり、プロトコルのルールを変更したりすることはできません。プロトコルは化学のようなものです。化学の法則を破壊することはできません。
Augurは真のP2P予測市場です。政治からスポーツ、資産価格、ハリケーンの強さ、経済予測まで、どのような予測市場にも誰でも参加することができます。どの市場にも誰にも参加を妨げられることはなく、誰もその結果を操作することはできません。流動性プールはグローバルでカウンターパーティーリスクはなく、手数料は中央集権型のプロトコルに比べて格段に低くなります。
Augurについて詳細情報は、Multicoinの「Augurの分析と評価」をご覧ください。TLDR:私たちは強気です。
分散型記録保存
コンプライアンスの規制下にある企業はすべて(金融サービス、医薬品、食品安全、石油・ガス、サプライチェーンなど)、記録を保存する必要があります。これら企業は時々、監査人から記録を求められます。その場合、企業は関連記録を見つけてそれを監査人に提出し、企業のできる限りにおいてそれら記録が作成されてから変更されていないことを証明する必要があります(バーナード・マードフが20年以上にわたりネズミ講を運営してこれたのは記録を改ざんしていたからです)。
Factomはハッシュされた記録をパブリックブロックチェーンに委託できるブロックチェーンを設計しました。ブロックチェーンを読み取って文書の内容を見ることはできません。一般の人が見ることができるのは、ブロックチェーン上の暗号学的ハッシュ(記録の指紋)のみです。
Factomブロックチェーンに記録を委託する場合、企業は、Box、Googleドライブ、または上記の分散型ストレージプロトコルなど、いずれかのサービスに自社の機密文書を保存します。監査人から文書を要請されれば、企業は今まで通りの方法で文書を提出します。監査人はソフトウェアを使って各文書を、Factomブロックチェーン上の暗号学的ハッシュと比較します。暗号学的ハッシュと一致すれば、監査人は100%の確信をもってその企業が文書を遡及的に修正したかどうかを知ることができます。企業がFactomを採用すれば、監査作業は格段に速く、コストは下がり、正確になり、真実が反映されるようになります。
Factomが企業の間で普及するようになるにつれ、世界は一層正直な場所になるでしょう。医薬品企業は臨床試験結果が芳しくなくてもそれを隠すことはできず、権原保険会社は破産して、サプライチェーンは透明性を増すでしょう。しかも影響はそれにとどまりません。記録保持を分散することは真実が栄えることを意味するのです。
Factomに関する詳細情報は、MulticoinのFactom分析と評価をご覧ください。TLDR:私たちは強気です。
分散型マネー
「ビットコインの世界でアルゴリズムが[政府]に置き換わるという事実は…実はかなりすごいことだと思います。私はビットコインの大ファンなんです。」
– アル・ゴア米国元副大統領。
分散型マネーはP2Pネットワークにとって、いわば聖杯です。政府から拘束されず、インフレはなく、資本規制も銀行口座の凍結も、非公開の手数料も、数日かかる決済期間もありません。あなた自身のお金なのです。純粋に自分だけのもので、その取り扱いに他の誰も口をはさむことはできないのです。
政情が安定している国に住む人にとっては、これはそれほど大したことではないかもしれません。米ドルのどこがいけないのか。Visa/Mastercardのどこがいけないのかと思うでしょう。
しかし、政情が安定していない国に住む人々の考えは違うかもしれません。
上の図で緑色の国はインフレ率が10-20%です。青色の国は20%以上です。これらの国を合わせた人口は7億8000万人で、世界人口の10%以上、GDPにして2.1兆ドルに相当します。
インフレ率が20%の国で1万ドルを持っていても、1年後にその価値は8000ドルになります。2年後にはわずか6400ドルです。インフレは非常に厄介です。価値を破壊し、人々は長期的な視点で考えられなくなります。
そこでビットコインが約束するものを見てみましょう。ビットコインは政府とは独立して運営されます。真にピアツーピアの金融の仕組みであり、人々によって人々のために管理されます。暗号資産の世界では、政治家があなたのお金の価値を切り下げることはできません。
資本主義に挑戦
中央集権システムが近代社会のそれぞれ異なる側面の多くにはびこる問題だと直感的に考える人は多くないでしょう。大半の人は、現代のインターネット・インフラが非常に非効率で、不当に高いコストがかかっている、予測市場が中央集権化のためにひどいことになっている、あるいは、現代の記録維持慣行は詐欺や不正 行為の温床である、中央政府が金銭の価値を破壊しているなど、考える人も多くないでしょう。
しかし、この数百年にわたって全く自然に資本主義が進化してきた結果、仲介者(ミドルマン)が巨大な権力を握るようになったのです。仲介者は大半の経済取引に対して賦課金を徴収します。私たちは社会としてそれにあまりに慣れすぎて、通常はそれが見えなくなっています。ネットワーク参加者に賦課しているネットワークオペレーターというグローバルな視点から見れば、税制改革などはおそろしく近視眼的な議論にすぎません。
暗号学的にバインドされたネットワークは今日誰が認めるよりもずっと奥深いものとなるでしょう。料金を課そうとしている者の数と種類を考えてみてください。それらは至る所に存在します。
- 政府
- 保険会社
- 銀行
- ソーシャルネットワーク
- インターネットサービス・プロバイダー
- マーケットプレイスの運営業者
- 取引所の運営業者
- カジノ
暗号資産は政府の金融政策だけでなく、今私達が知っている社会構造にも挑戦することでお金を変革します。上記の産業だけでなくこれ以外にも多くの産業が、仲介者を取り除き、個人とビジネスを暗号資産でつなぐことで劇的に変貌するでしょう。しかし、すべての企業がいい事ずくめのP2Pの暗号資産共同組合になるわけではありません。地球が、すべてのルールとお金が暗号学的にバインドされたプロトコルで統治されるヒッピー的なユートピアになるわけでもありません。
資本のプールと人間の労働は常に存在するでしょう。あらゆることがP2Pになるわけではないのです。P2Pの自動車製造工場は理にかないません。多くの工業プロセスはP2Pネットワークの直接的な影響を受けないでしょう。歯科医や床屋など地元のサービス業もなくなりはしません。暗号ネットワークがマッサージを提供したり、芝を刈ったり、家の掃除をしたりするわけではないのです。
虚構の中に真実を見つける
Yuval Hurari は著書『サピエンス全史文明の構造と人類の幸福』の中で、ホモ・サピエンスと他の地球上の種との違いは、ホモ・サピエンスは抽象的で共有されたストーリーを語り、それを信じる能力だと言っています。彼は、論点を明確にするため、こうした共有ストーリーを「虚構(フィクション)」と呼んでいます。現代社会は、例えばお金、法律、宗教、企業など、共有された虚構の上に成り立っているのです。
人々をつなぐのは化学と物理です。企業ではありません。企業というのは完全に抽象的な存在で、それ自体が虚構といえる法律という制約の中でしか存在できません。紙切れであるドル紙幣が価値を持つ唯一の理由は、米国政府がそれに価値があると言っている、それだけです。
この数百年間、社会で生み出されたほぼすべての価値は企業によるものです。これら企業(これらも共有された虚構です)は近代社会の発展には絶対に必要でした。ウォルマートは、百万人の従業員をまとめる「ウォルマート」と呼ばれる共有の虚構を作り出すことで社会に計り知れない価値を生み出してきました。これらの人々はウォルマートがなければ自律的でそれぞ れ独立している人たちです。そしてそれぞれが、店舗入り口の挨拶係からCEOまで、ウォルマートという虚構の中で自分の役割を理解しているのです。
私達はついに、経済的な動機を使用することで、リアルタイムで世界中の多数の個別当事者をトラストレスにコーディネートする方法を手に入れたのです。これは共有の虚構がなくても可能です。暗号資産のおかげでこれが初めて可能になったのです。
暗号的にバインドされたP2Pネットワークは、社会的組織に新たな仕組みを提供します。これらのネットワークは、それ自体が数学的にバインドされているプロトコルによって純粋にバインドされています。ネットワーク参加者は、プロトコルが定義するプロトコル統治に関与できます。人類史上初めて、何十億人もの人々にとってこれらのプロトコルを通した相互取引が可能となったのです。マネーという共有された虚構以外、一切の共有された虚構を信じなくても、それができるのです。
分散可能なものはすべて分散化される。ジョンソンの法則。
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